Lesson13. 他人振出小切手を受け取ったときの仕訳

他人振出小切手を受け取ったときの仕訳

テレビドラマなどで、小切手に金額を記入して相手に渡すシーンを見たことありますよね?
うつけ洋服店は今日、初めてつねスタイリスト事務所から小切手というものを受け取りました。このときの仕訳はどうなるのでしょう。

ここまでの知識でうめてみると・・・

うつけ
商品を売ったから収益が発生して、貸方に【売上】、で金額は1500だね!ここまでは分かる。

他人が振り出した小切手を受け取ったときの仕訳

小切手とは、振り出した人(つねスタイリスト事務所)が「この小切手を持ってきた人(うつけ洋服店)に、この金額を支払ってください」と銀行にお願いするための証券です。

ですので、うつけ洋服店がその小切手を銀行に持っていけば、現金に換えることができます。
そこで、他人(つねスタイリスト事務所)が振り出した小切手は、現金と同様に扱います

したがって、他人振出の小切手(他人振出小切手)を受け取ったときは、現金(資産)が増えたとして処理します。

ここはとても重要!
ちなみに、当店(うつけ洋服店)が振り出す小切手の処理はLesson18で解説します。

きちょう
なるほど、現金に換えられるのが小切手だから、現金として処理して、借方は【現金】になるんだね。

他人が振り出した小切手で支払ったときの仕訳

他人振出小切手は現金と同様に扱うので、持っている他人振出小切手で仕入れ代金なども支払うことができます。

他人振出小切手で仕入れ代金などを支払ったときは、現金(資産)が減ったとして処理します。

したがって、仮にうつけ洋服店が仕入先から商品1500円を仕入れ、つねスタイリスト事務所から受け取った小切手で代金を支払ったとすると、次のような仕訳になります。

うつけ
小切手で支払いをしたときも、現金と同じように処理すればいいんだね。簡単でよかった・・・
きちょう
小切手の処理って意外と簡単なのね。
つねちゃん
そうだね、処理は簡単。だけど小切手の他にも、現金として扱うモノもあるから、それも合わせて覚えちゃおう!

小切手の他にも現金として扱うモノがある

他人振出小切手のように、一般的には現金(紙幣や硬貨)ではないけれども簿記の上では現金として扱うモノを、通貨代用証券といいます。

通貨代用証券は、他人振出小切手のほか、送金小切手(送金手段として銀行が振り出す小切手)や、配当金領収証(銀行に持っていくと配当金として現金が受け取れるもの)などがあります。

うつけ
なるほどー、えーと通貨代用証券と・・・
うつけ
あ、通貨代用証券という言葉は覚えなくて大丈夫だよ。
簿記上、現金として扱うモノ 
・他人振出小切手 ・配当金領収証
・送金小切手 ・期限到来後の公社債利札 etc…

おさらい

  1. 小切手とは、振り出した人が「この小切手を持ってきた人に、この金額を支払ってください」と銀行にお願いするための証券のこと
  2. 他人が振り出した小切手は、現金と同様に扱う
  3. 他人振出小切手を受け取ったときは、現金(資産)が増えたとして処理する
  4. 他人振出小切手で仕入れ代金などを支払ったときは、現金(資産)が減ったとして処理する

例題 – 小切手の処理

次の各取引について仕訳をしなさい。

(1) 戦国商店は、幕末商店に対する売掛金6,000円を回収し、同店振出の小切手を受け取った。

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(2) 戦国商店は、室町商店に対する買掛金6,000円を支払うため、他人(幕末商店)振出小切手を渡した。

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他人振出小切手を受け取ったときの仕訳