問屋きちょうから商品を仕入れたとき、以前つねスタイリスト事務所から受け取っていた約束手形があることを思い出しました。「これって代金の支払いに使えないのかな?」と思って調べてみたところ、”裏書き” というテクニックを使うことで、それができることがわかりました。
裏書き・・・?なんかやっぱり時代劇の悪代官みたいだねコレ。
悪代官かどうかはさておき・・・この裏書譲渡はきちんとした簿記の上での約束手形の活用手段なんだ。
ここまでの知識で仕訳をうめてみると・・・
手形の裏側に書いて渡すから、”裏書譲渡”
約束手形を持っている人は、その手形を他の人に渡すことによって仕入代金や買掛金を支払うことができます。持っている手形を他の人に渡すときには、手形の裏面に名前や日付を記入するのでこの方法を手形の裏書譲渡といいます。
裏書譲渡をやるには、手形記載の支払期日の前に渡す必要があります。
約束手形を裏書きして渡したときの仕訳
うつけ洋服店は、先につねスタイリスト事務所から受け取っていた約束手形を問屋きちょうに渡すので、受取手形(資産)の減少として処理します。
なるほどー、受け取る権利があった資産が減るってことになるわけだ。
裏書きした約束手形を受け取ったときの仕訳
また、裏書きした約束手形を受け取った側(問屋きちょう)は、受取手形(資産)の増加として処理します。
手形を受け取ったときは「受取手形」ってわけね。
したがって、Lesson27を問屋きちょうの側から仕訳すると次のようになります。
問屋きちょうの立場からは、「問屋きちょうは、うつけ洋服店に商品1000円を売り上げ、代金はつねスタイリスト事務所振り出しの約束手形を裏書譲渡された」となります。
おさらい
- 持っている手形を他の人に渡すときには、手形の裏面に名前や日付を記入するのでこの方法を手形の裏書譲渡という
- 約束手形を裏書譲渡したときは、受取手形(資産)の減少として処理する
- 約束手形を裏書譲渡されたときは、受取手形(資産)の増加として処理する
例題 – 手形の裏書の処理 –
次の一連の取引について仕訳しなさい。
(1) 戦国商店は室町商店から商品7000円を仕入れ、代金はかねて江戸商店から受け取っていた約束手形を裏書きして渡した。
(2) 室町商店は戦国商店に商品7000円を売り上げ、代金は江戸商店振出の約束手形を裏書譲渡された。