Lesson28. 約束手形を割り引いたときの仕訳

約束手形を割り引いたときの仕訳

「支払期日が2か月後の約束手形の代金をいま受け取れないかなぁ・・・」と思って調べてみたら、なんと銀行に持ち込んで割り引けば、すぐに現金を受け取ることができるらしい!さっそく約束手形を割り引いて現金を受け取ることにしたが、どうやら手数料がかかるらしい・・・

うつけ
いやー仕入しすぎちゃってさー!この約束手形なんとか早く現金にしたいんだよねー!
きちょう
あんたってホント計画性ゼロだよね・・・

ここまでの知識で仕訳をうめてみると・・・

“割引き” は手形を銀行に買ってもらったのと同じこと

約束手形を持っている人は、支払期日前にその手形を銀行に買い取ってもらうことができます。
これを手形の割引きといいます。

また、手形を割り引くことによって、手形の支払期日前に現金などを受け取ることができますが、利息や手数料がかかるため、受け取れる金額は手形に記載されている金額よりも少なくなります。

割引きにかかる手数料なので、「割引料」といいます。

約束手形を割り引いたときの仕訳

うつけ洋服店は、先に受け取っていた約束手形を銀行で割り引く(銀行に売る)ため、受取手形(資産)の減少として処理します。

また、手形を割り引く際にかかった手数料は、手形売却損(てがたばいきゃくそん)という費用の勘定科目で処理します。

「~損」とつくモノは費用の勘定科目になります。

なお、受け取る金額は約束手形の金額から手数料を差し引いた900円になります。

1000円の約束手形を900円で銀行に売った(割り引いた)ということになるので、100円を損したことになります。なので、差し引かれた手数料(割引料)100円は「手形売却損」で処理をする、ということです。

おさらい

  1. 約束手形を支払期日前に銀行に買い取ってもらうことを手形の割引きという
  2. 約束手形を割り引いたときは受取手形(資産)の減少として処理する
  3. 手形を割り引く際にかかった手数料は、手形売却損という費用の勘定科目で処理する

例題 – 手形の割引きの処理 – 

次の各取引について仕訳しなさい。

(1) 戦国商店は室町商店に商品9000円を売り上げ、代金は約束手形で受け取った。

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(2) 戦国商店は受け取っていた約束手形9000円を銀行で割り引き、割引料500円を差し引かれた残額は当座預金口座に預け入れた。

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例題 – 手形の処理 – 

次の各取引について仕訳しなさい。

(1) 取引先の江戸商店に対する売掛金3000円を回収し、そのうち2000円は江戸商店の得意先である室町商店が振り出した約束手形で受け取り、残額は当座預金口座に振り込まれた。

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(2) 所有する得意先奈良商店振出の約束手形6000円について、銀行で割り引き、割引料40円を控除した残額が当座預金とした。

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(3) 鎌倉商店は平安商店に商品5000円を販売し、代金のうち2000円は平安商店振出、当店宛ての約束手形を受け取り、1500円については、明治商店振出、平安商店宛ての約束手形の裏書譲渡を受け、残額は月末に受け取ることにした。

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約束手形を割り引いたときの仕訳